睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は寝ている間に何回も呼吸が止まる病気です。無呼吸とは睡眠中に10秒以上呼吸が停止している状態であり、1時間に5回以上もしくは7時間の睡眠時に30回以上の無呼吸があれば睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。
今や日本人の300万人以上が睡眠時無呼吸症候群予備軍と言われ、今や21世紀の現代病と言われています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因
無呼吸のほとんどは空気の通り道である上気道のスペースがなくなることが原因です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する要因として次のようなものがあります。
- 肥満によって顎や首に脂肪がついている
- 病気により扁桃やアデノイドが肥大している
- 花粉症やハウスダストなどのアレルギーで鼻が詰まりやすい
- 鼻中隔彎曲症など鼻が曲がっている
- 顎が小さい、または舌が大きい
- アルコールを摂取し、筋肉が弛緩し上気道を閉塞する
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は太っている男性に多いと思われがちですが、痩せた女性でもかかる疾患です。もちろん女性と比べ男性の方が上半身に脂肪がつきやすい傾向がありますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は男性2~3人に対して女性が1人の割合で罹患しています。
また、男性は30~60代の少し太りやすくなったり、体型が変化したりする年代に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすいので要注意です。一方、女性はというと閉経前に比べ閉経後に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する確率が約3倍というデータも報告されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に繰り返し呼吸が止まることで、頭や身体が低酸素状態になり、これが原因で睡眠中、起床時、日中の活動に影響を及ぼします。
睡眠中の症状
- いびきをかく
- 息が止まる
- 呼吸が乱れたり、息苦しさを感じる
- 夜中何度も目が覚めトイレに行く
- 寝汗をよくかく
起床時の症状
- 口が乾いている
- 頭痛がある
- 寝た気がしない、熟睡感がない
- 起きてもスッキリしない
- 身体が重たい
日中の症状
- 強い眠気があり、居眠りをする
- 倦怠感、疲労感がある
- 身体を動かしてもすぐに息切れする
- 集中力や記憶力の低下
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険性
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療せずにしておくと交通事故や労働災害に見舞われたり、心疾患や脳卒中などの生活習慣病の危険性が潜んでいます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と関連性のある生活習慣病
- 高血圧
- 心疾患
- 脳卒中
- 糖尿病
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法
治療を要するかどうかは、睡眠時にどれくらい呼吸が止まるか、1時間あたりの呼吸停止数を検査によって確認する必要があります。この検査は自宅で普段通りに寝て頂くだけで計測できる簡単な検査です。そして検査結果によって治療方針を決定します。
検査にかかる費用
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査には健康保険が適用されます。3割負担の方では簡易PSG(ポリグラフ)と診察料で約2,500円必要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
睡眠時の無呼吸状態によっては、他院(近隣総合病院など)での入院精査をお勧めする可能性があります。鼻炎・扁桃肥大など、鼻やのどが狭いことが原因であれば、原因疾患の治療を行います。
睡眠時の呼吸停止が頻回の重症の方には、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行います。寝ているときにマスクを付けて気道に空気を送り込むことで、寝ているときの呼吸を助ける治療法です。
治療にかかる費用
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合は治療にも健康保険が適用できます。CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)は経過の確認のため、月1回の通院が必要です。3割負担の方で月に5,000円程必要です。