急性中耳炎とは?
中耳に細菌やウイルスが入り、急性の炎症がおきて膿がたまる病気です。構造上、中耳には耳管と呼ばれる鼻の奥に通じている管があります。細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入ると、中耳の粘膜に急激に炎症をひきおこします。そのため中耳炎はかぜをひいたときなどに鼻やのどの炎症に引き続いておこることが多いのです。
どんな症状が出ますか?
ズキズキするはげしい耳の痛み、発熱、耳だれ(耳漏)、耳がつまった感じなどがおこります。乳児などでは痛みを訴えられないために、機嫌が悪くぐずったり、しきりに耳に手をやったりすることがあります。
原因は?
風邪をひいたときなど、鼻やのどにある菌が耳管を通って中耳に入り、感染を起こすことで急性中耳炎になります。
かかりやすい年齢層は?
幼小児期に最もかかりやすく、これは
①子どもの耳管は大人にくらべて太く、短く、さらに角度が水平に近いので細菌やウイルスが中耳に侵入しやすい
②全身の抵抗力やのど、鼻の粘膜の抵抗力が未熟なためかぜをひきやすい
などの理由が考えられています。
どのような治療を行うのですか?
細菌を殺したり、その増殖を抑えるために抗生物質を服用します。さらに熱や痛みには解熱消炎鎮痛剤も処方されます。
また、点耳薬を用いる場合もあります。点耳薬は抗生物質が主成分ですが、炎症を抑える目的でステロイド(副腎皮質ホルモン)剤が配合されている場合もあります。これらは症状に応じて、単独で用いたり、併用する場合があります。
耳鼻科での処置では、耳漏がでていれば耳の清拭を行い、鼓膜が膿でふくらんでいる場合には、鼓膜に穴を開けて膿をだす「鼓膜切開」という処置を行います。
また、副鼻腔や鼻咽腔に炎症があれば、その治療も同時に行います。