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滲出性中耳炎とは?

耳と鼻をつなぐ耳管が機能せず、鼓膜の奥の中耳が陰圧になって体液が滲み出てきます。この体液を滲出液といいます。そのため鼓膜の奥に滲出液が溜まる中耳炎を滲出性中耳炎といいます。

どんな症状が出ますか?

滲出性中耳炎は急性中耳炎と違い、耳痛や発熱、鼓膜の発赤・腫脹は伴いません。鼓膜の奥に滲出液が溜まっているため、水の中で音を聞いているような状態です。そのため音の伝わりが悪く、耳が詰まったような聞こえ(耳閉感)の状態です。徐々に聞こえが低下していくので、特にお子さんの場合はテレビの音が大きくなったり、名前を呼んでも振り向かなかったり、聞き返すことが多くなることで気づかれることがあります。

原因は?

急性中耳炎が治りきらずに滲出性中耳炎に移行することがあります。また、滲出性中耳炎につながる耳管の機能不全の要因として下記が挙げられます。 ・鼻の病気などで耳管の出口に鼻水がある状態 ・耳管の機能が未発達であるおよそ7歳までのお子さん ・鼻の奥の扁桃(アデノイド)が大きい

かかりやすい年齢層は?

滲出性中耳炎はお子さんから大人まで幅広い年齢層に起こりますが、特にお子さんの発症が多いです。

どのような治療を行うのですか?

滲出性中耳炎を最後まで治療することが大切なことです。風邪をひいているのであれば風邪の治療を行ったり、副鼻腔炎にかかったのであれば副鼻腔炎の治療を行ったりするように、滲出性中耳炎の治療で大切なことは鼻の奥の状態をきれいにすることです。
鼻水や鼻詰まりがなく鼻がきれいな状態でも治りが遅い場合は、鼻から耳に医療用の風船を使って空気を通す治療(耳管通気)を行います。 さらに治りが悪い場合は鼓膜に小さな穴をあけたり(鼓膜切開)、鼓膜にチューブを留置したり(鼓膜チューブ留置術)して外科的に滲出液を出す場合があります。
滲出性中耳炎は症状が少なく治療の効果を実感しにくい病気ですが、放置しておくと、癒着(ゆちゃく)性中耳炎や真珠腫性中耳炎など将来に手術が必要な慢性中耳炎に発展する可能性があります。

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